遺留分(いりゅうぶん)を侵害しない遺言を。

(写真はイメージです)

こんにちは。長野市三輪 ”相続・遺言・おひとり様高齢者専門 ” 行政書士の可児(かに)と申します。

「遺言書を書きたいが、妻も息子も嫌いなので、別の好きな人に全額渡すんだ!」

と言って、遺言書をしたためるのは自由です。

しかし、民法第1042条から第1049条において「遺留分侵害額請求」というものが定められています。近しい親族は、仮に遺言で相続分が無かったとしても、裁判所に申し出て

法定相続分の1/2から1/3の相続財産を請求することができるのです(最低限の相続分保障制度です)。

具体的には次の通りです。

  • 相続人が「配偶者と子」の場合: 相続財産の1/2が遺留分(内訳:配偶者1/4、子1/4)。
  • 相続人が「父母のみ」の場合: 相続財産の1/3が遺留分。 
  • 相続人が「兄弟(姉妹)のみ」の場合:一切無し!

    例えば、亡Aさんの相続財産が1,000万円で、遺言では姪のXさんに全額となっていたとしても、必ずそれが実現するとは限りません。Aさんに妻のBさん、子Cさん、子Dさんがいた場合、次の範囲内で、Bさん、Cさん、Dさんは、遺留分を請求することが出来ます。

    配偶者と子だけで、相続財産の1/2が請求可能。1,000万円×1/2=500万円
    本来の法定相続分 妻(B)1/2 子供(C+D)1/2(但し、CさんとDさんの2人なので、C=1/4、D=1/4)

    遺留分の計算式 
  • 妻のB 1,000万円×1/2(遺留分総額)×1/2=250万円
    子のC 1,000万円×1/2(遺留分総額)×1/4=125万円
    子のD 1,000万円×1/2(遺留分総額)×1/4=125万円
  • 遺留分合計500万円

    一方、本来の遺言の相続人であったXの相続分は、次のようになります。
     1,000万円-(遺留分侵害請求額500万円)=500万円 ※500万円減額

    今回、何らかの理由でAさんが指定されて兄弟が飛ばされたという事で、兄弟は「何でやねん!と怒りをあらわにすることが
    あるかもしれません。しかし、いくら遺留分制度があったとしても、残念ながら兄弟はその恩恵に一切あずかれず、別途遺産分割協議を行わない限り、姪が取得するという結果となります。もっとも、故人の意志なのですから仕方ないですよね。兄弟まで遺留分を認めると「虫が良すぎる」ということになるからでしょうね。民法では「ぬれ手の粟」は認めないという事ですね。

    なお、この遺留分を実行するためには、裁判所を通すこととなるので、親族間にしこりが残る結果となります。故人としても
    そのような争いを望んでいるわけではなく、単に「遺留分制度」を知らなかっただけ、という場合もあるでしょう。

    せめても、人が生前、配偶者や子、自分の親にはいくら理不尽な目に遭ったからと言って、ある程度はお世話になったわけだから、せめても遺留分の範囲内だけは、遺言で残しておきましょうよ、ということです。

    行政書士可児猛事務所では、遺言書の作成サポートを行っていますが、遺留分については「円満相続」を実現するため、必ず全員にアドバイスさせていただきます。何卒ご了承ください。

    <その他、遺留分に関する留意点>

    遺留分は自動的に支払われるものではなく、自分で請求(遺留分侵害額請求)する必要があります。通常は弁護士に依頼する形となり ますので、可児猛事務所は、弁護士と連携しながら対応させていただきます。
    ・遺留分侵害請求は、時効があります。①相続の開始および自分の遺留分が侵害されていることを知った日から1年。②侵害を知らなくても、相続開始から10年が経過するまで。この時効の範囲内でしたら対応可能です。

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